ロボットと人間の垣根とは?~イヴの時間~

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今、世間では「人工知能」が脚光を浴びている。

そして、人工知能やロボットの話題になると必ず出てくるのが「シンギュラリティ」だ。人間を人工知能が超えてしまう特異点。その先には、人の仕事をロボットが奪うどころでなく、ターミネーターやAIのように、ロボットが人を襲う世界があるのかもしれない。

しかし、そのようなドラスティックな展開というのは実際起こるとは思えない。もし、ロボットと人の関係に問題が出てくるのであれば、まずはこれから紹介する「イヴの時間」に出てくるようなものではないだろうか。

 

 

時間の流れが独特なアニメ

イヴの時間には不思議な空気が流れている。現実とはかけ離れた世界ではあるけれども、まるでアンドロイドがいて当たり前と錯覚してしまうような感覚に陥る。そのせいか、主人公たちがアンドロイドとの関わりを通して経験する様々な出来事に妙なリアルを感じてしまうのだ。

イヴの時間の大きな特徴は「会話」だ。

映画やアニメでは、複数の人物が同時に別のことを喋るシーンは極めて少ない。しかし、このアニメでは会話がしょっちゅうといっていいほど重なる。

ここに、先にあげた空気のヒントがあるかもしれない。

そう、なんかリアルなのだ。

噛み合ってないにも関わらず会話を続ける、相手の言葉へに被せて返してしまう、このディテールの細かさが癖になるのだ。

 

コーヒーが飲みたくなるアニメ

このアニメで重要なファクター。それは、コーヒーだ。

主人公のリクオが、自家のアンドロイドであるサミーの不可解な行動ログに気づき、サミーがとある場所を訪れていることがわかる。その場所こそ、イヴの時間。イブレンドというオリジナルのブレンドコーヒーが売りのカフェだ。

このアニメ、ほとんどは店の中で話が進んでいき、絶え間なくイブレンドの注文が入る。ウッディな店の雰囲気とあいまって、思わず自分も飲みたくなる。

ただ、この店には特別な約束が一つある。それは、店の中では人間とアンドロイドを区別しないというルールだ。

 

人とアンドロイドを区別しないと何が起こる?

このアニメのテーマはまさにここにある。

人とアンドロイドを区別しないイヴの時間には色々な客がいるが、誰が人間で誰がアンドロイドかは本人以外分からない。アンドロイドは、普段は人間と区別がつくように印をつけているが、この店ではそれを外している。(ちなみに、印を外すことは法律違反だ)

この設定が本当に面白いのだ。

人とアンドロイドという関係性。それは、人と人のそれと何も変わらないことに気づかされる。

アニメの中ではアンドロイド依存症が社会問題になっていたり、性の対象としてのアンドロイドといったテーマも取り上げられている。アンドロイドだと分からなければ成立するものが、アンドロイドと認知されるだけで成り立たなくなる。多分、似たような構造の話は人の世界ではずっと昔から起きているだろう。だからこそ、このアニメで起こっていることは、今後実際に起きる気がしてならないのだ。

イヴの時間。とても完成されたアニメ映画なので、是非見てみてください。

 

ちなみに、監督の吉浦康­裕作品にはサカサマのパテマという傑作もあるのでぜひ。

 

 

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