ピクサーとジブリの違い

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ピクサーとジブリ。

「知らないという人はいない」と言ってもいいくらい、世界的に有名な2つのアニメーションスタジオだ。
多くの人々に愛されているという点でこのスタジオたちは共通しているが、実は手描きかCGかということを含めて、アニメに対するアプローチや考え方が全く違う。
今回は世界に愛される、アニメ界の二大スタジオの違いについて書いていこうと思う。
 

紆余曲折のピクサーと王道のジブリ

ピクサーは、ディズニーのアニメの映画をつくっている。これは周知の事実だが、その歴史を見てみると、とても面白い。ざっと歴史を見てみると…

  • ルーカスフィフムのCG制作部門になる
  • スティーブ・ジョブズによって買収され、CG製作向けのコンピューターメーカーになる
  • コンピューターの売上が伸びず、CGアニメーション制作に注力
  • ディズニー映画を共同制作。その後、ディズニーの子会社となる

スターウォーズのジョージ・ルーカスにAppleのスティーブ・ジョブズ。あっちこっちの人間たちがピクサーには関わってきた。要するに、ピクサーはアニメーションを作る会社というよりは、コンピューターグラフィックス黎明期に率先して最新の技術を研究開発していた技術ベンチャーだったのだ。この歴史を細かく見てみるとまた面白い。少しでも興味をもった人にはおすすめの本がある。

ピクサーのトップ、トム・キャットムルが、丁寧にピクサーの文化や歴史を綴ってくれている。

一方、ジブリは風の谷のナウシカを制作したトップクラフトを前身としている。まさに、王道のアニメーションスタジオといえるだろう。(したがって、厳密にはナウシカはジブリがつくったものではないのだ)

宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の三人を中心に質の高いアニメを数多く生み出し、同時に日本のアニメの将来を背負って立つアニメーターにも大きな影響を与えている。ちなみに、アニメーターを正社員として雇う、日本では極めて珍しい企業だ。

次に、2つのスタジオのアニメづくりにおける違いを見ていこう。先に結論を言っておくと、ピクサーは論理的に、ジブリは直感的に作品をつくるスタジオである。

 

組織でつくるピクサー

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ピクサーでは、独創性を失わないために、体系的にアニメがつくられる。一見、矛盾をしている表現だが、独創性を失う要因を仕組みでカバーし、組織として作品のクオリティを担保するという、離れ業を成し遂げている。

ピクサーでは、1本の映画のシナリオをつくるのに2~3年は平気でかける。そして、脚本を元にモック(仮の絵や声でできたもの)をつくり、ディレクターや監督の間で上映会をし、作品をブラッシュアップする。「プレイントラスト」と呼ばれるこの会議では、皆が率直な意見を言い合う。誰かがおかしいと思えば、観客もおかしいと思う可能性がある。その可能性を潰すまで妥協をしない。「物語が一番偉い」という価値観を尊ぶピクサーらしい、物語のクオリティへのこだわりだ。

しかし、一方でブレイントラストで出た意見を取り入れるか否かは監督の自由だ。こういったバランス感が、作品のクオリティと製作陣のモチベーションを上手く保つのだろう。

 

天才がつくるジブリ

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ジブリといえば、やはり宮崎駿という存在がどこまでも大きい。宮崎駿は、アニメをつくるときシナリオなどをつくらずにそのまま絵コンテを書き始めるという。まず、表現したいシーンがあって、ストーリーはそのあとについてくるらしい。見事にピクサーとは真逆の作り方だ。そして、ピクサーにはこの作り方はできないだろう。なぜならば、ピクサーには宮崎駿はいないからだ。属人化の極みといえる製作手法だが、だからこそ、「ジブリっぽい」という言葉がよく使われるほど、他では見られない作品が生まれるのだろう。

ちなみに、ジブリの中でどのように作品が生まれるかについてはカドカワドワンゴの社長、川上氏の本を読んでみるといい。

「トトロがヒットした理由なんて、トトロがふかふかしてて口が大きかったからに決まってるだろう」という鈴木プロデューサーの言葉が絶妙に腹に落ちる良書だ。

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